自分や子どもがHSP・HSCだと思ったら意識したいこと

HSPHSCかもと思ったら HSP/HSC
HSPHSCかもと思ったら

子どもが不登校になった2017年以来、私にとってHSP/HSCは身近な言葉になりました。

「学校が嫌だってどうして?どうしたらいい?」と日夜ネットで情報を集めているときに出会ったのが、HSCを日本語で表した「ひといちばい敏感な子」というタイトルの本。

子育てハッピーアドバイスなどの著書で知られる明橋大二先生が翻訳されたその本を読んで

うちの子これだ!HSCだ!
なんだったら私自身もこんな感じだ!

と深く納得した概念がHSP(Highly Sensitve Person)/HSC(Child)です。

そして今フラワーエッセンスのご相談に乗る中で、「自分はHSPだと思う」と話される方も何人もいて、敏感な人々は植物療法や自然との親和性が高そうだなと感じています。

HSPとは?HSCとは?

まずエイチエスピー(HSP)、エイチエスシー(HSC)とは何なのか、言葉の定義をはっきりさせておきましょう。

HSPと言えば、こんな特徴があります。

  • Highly Sensitive Personの頭文字
  • 心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱
  • 直訳すれば「感覚(sense)の反応が高い人」
  • 日本では「ひといちばい敏感な人」の訳あり
  • HSPのほかに「繊細さん」などの呼び方も
  • HSCのCはチャイルド。敏感な子ども

というのが大まかな言葉の説明です。

HSPとは、ものごとに敏感に反応する人。

HSP全員が生きづらいわけではありませんが、「HSPの敏感さにより生きづらさを抱えている人」を理解・サポートしようという動きが広まってきています。

HSPやHSCは病気や症状ではない

HSPもHSCも、生まれつきの性質です。

病気や症状ではありません。

例えばADHDやASDなどの医学的な症状での分類とは違うものです。

そして「治す」対象となるものではありません。

HSPという言葉は、心理学的な定義で生まれつきの気質を表すもの。研究では生まれつき脳の処理の仕方が異なること、遺伝的に受け継がれていくこと等が分かってきているそうです。

なぜ自分がHSPか、子どもがHSCかがこんなに気になるのか?

病気でもない、病院に行って治すものでもない。

ではなぜ「自分はHSPなのでは?」「うちの子HSCかな?」と気になるのでしょう?

それは、HSPやHSCの人が現代社会の中で困っているからですよね。

HSPに当てはまる人はその敏感さゆえに、特に人が集まって過ごす場面での悩みが多くなりがちです。

疲れる、考えすぎる、劣等感がある、傷つきやすい……など。

どうして自分はこうなんだろう?

どうしたらいい?

と悩んでいるときに、自分はこれだ!と分かるHSPという分類を得て、本当にほっとする人が多いんじゃないかなと思います。

[jin-iconbox09]困っているのは自分だけじゃない。どうにかできるのかもしれない。[/jin-iconbox09]

そんな希望が生まれますよね。

HSPは5人に1人。多い?少ない?

提唱者のアーロン博士によれば

HSPは5人に1人。または人口の15-20%程度。

性別や地域、文化などに関連性は見られないそうです。

5人に1人。

どう感じますか?多い?少ない?

「思ったほど少なくないな」と私自身は感じました。

「少なさで困るほどの少数派ではない」なと。

「少数派=辛い」ではない。

私は日本人の22%に当たるというB型ですが、約5人に1人ですよね。

B型程度のマイノリティなら、数的にはそれほど少なくないという実感があります。

人が集まった場ではときどき血液型トークが始まります。そして少数派B型は多数派のA型O型勢にいじられがちです。多数派とは異なると言われる特徴をからかわれたり笑われたり。

たいてい私自身も笑っていますが、時にはうっすら悪意を感じることも。

でも飲み会のような大きな場では、確率的に他にもB型がいます。むしろB型同士で「あなたもB型!」と親近感を持ち、「B型の魅力」トークを展開することもできます。

少数派ならではの連帯感を感じることもあるのです。

もちろんHSPの悩みは飲み会ネタであるB型の疎外感と比べられるものではないのですが、「HSPはマイノリティー=辛い」ではないと言いたいのです。

  • 4:1の少数派だと多数派に押されがちではある
  • でも自分を大切に生きていけるなら、孤独になるほど少数派でもない
  • 変わっていると言われることもあるが、似た仲間との連帯感もある

5人に1人の特徴を持って、社会の真ん中で個性を生かして楽しく生きている人がたくさんいる。

5人に1人の特徴は、短所にもなるし長所にもなる。

5人に1人の私の特徴は、私の個性の一部ではあるが全部ではない。

そんな風に感じています。

5人に1人が持つ特徴というのは、本来、社会においてそれほど少なくはない。

HSP=少数派=生きにくい、となるべき特徴ではないはずです。

自分や子どもがHSP・HSCだと思ったら

ではHSPであっても何も気にしなくていいかというと、そうではないですよね。

多数派4人に比べ、明らかに敏感な性質。

この性質が生まれつきなら、変えられない。

それはOK。

でもこの困り感をどうにかしたいわけです。

HSPは、自分をケアする必要が他の4人より高い

だからまず、自分をケアする必要性が他の4人よりも高いことを認めませんか?

「みんなはできているから」と多数派4人側を気にすることはありません。

「みんなはやってないから」と4人に遠慮しすぎる必要もありません。

非HSPの皆さんはたくさんいるのでたくさんのことができます。でも感覚が繊細でないので、その苦手な部分を私たちがやっていくことで助けあえるはず。

そのためにも感覚に蓋をするのではなく、敏感な感覚を活用するためにケアが必要なのです。

HSP・HSCに必要な2つのケア

アーロン博士や明橋先生の著書で、HSPに最も必要と言われているケアは2つあります。

境界線ダウンタイムです。

  1. 境界線 ものごと・人との境界線を引き、刺激から離れること
  2. ダウンタイム 回復するための時間と場所を確保すること

別の言い方をすれば、敏感な心身が傷つかないように保護すること、傷ついたら十分回復させること。

保護回復

私や子どもは、この2つを意識することでとても日々が楽になってきました。アロマやフラワーエッセンスを活用することでも大きく助けられています。

境界線の引き方やダウンタイムの取り方はいろいろあります。

でも個々の方法よりまず基本が大事。

刺激から保護して(境界線)

回復させる(ダウンタイム)

を意識して暮らすこと。

回復する前に立ち向かわない。刺激から身を守り、自分を元気に保つことです。

HSP・HSCを「傷つきにくいタフなタイプ」にするケアは無駄

逆にHSPに必要ないケアは、傷つかないようにタフになろうとする方向性です。

例えば、慣れれば平気になるだろうとどんどん刺激にさらし続けること。

子どもで言えば、学校が苦手なのは慣れていないからだろうと嫌がっているところを「頑張れ」と強制的に行かせ続けてもあまり意味がないのです。

元気なHSPは確かに多少の刺激には耐えられますが、これはまず境界線とダウンタイムによる保護と回復あってこそのこと。

刺激にさらし続ければ、一見順応したように見えることもあるでしょう。

でもそれは問題を内側に閉じ込めているだけかもしれません。

じっと我慢して後になって心身に不調が出てしまわないように気を付けたいです。

5人に1人のHSPが元気でいればみんなのためになる

HSPにはケアが必要だとわかっても、自分自身のためになかなか時間や手間がかけられないと感じる場合もあると思います。

でも、5人に1人も存在するHSPが敏感さを保ったまま元気でいることは、自分だけでなく社会にとっても有意義なこと。

わがままでも自堕落でもありません。

敏感な動物たちが群れの中で果たす役割

HSPは、人間だけでなく動物の中にも20%ずついるらしいです。(Personの定義からはずれますけれど)

例えば草食動物の群れの中では、特に敏感な個体たちは敵を見つける担当です。彼らが変化を察知し走り出した瞬間に、仲間はみんな走り出します。

100頭の群れがいれば、20頭の敏感な個体があちこちで連鎖して走り出す。それが群れ全体の大きな動きを瞬時に作っていくということです。

HSC/HSPが敏感に動きだすことで社会も変わるはず

人間のHSC/HSPも変化を察知して動き出す存在として、現代社会に必要されているのだろうと思います。

例えば、学校がとても苦手な我が子。

HSCの子どもたちによるニーズの高まりに合わせて、学校側も変化していっていることを感じます。野生動物たちのように一斉に走り出すほどの機敏な動きは難しいですが、個々のHSP/HSCが動きだすことで少しずつ社会が変わっていくでしょう。

別に社会を変えようと呼びかけてるわけではないのです。そんなプレッシャーが苦手なHSPがほとんどだと思います。

HSC/HSPだとわかったら、今までより大切に自分を守っていきましょう。

境界を作り、ダウンタイムを確保して、自分をしっかりケアすること。

それが5人中5人ともが快適に生きる社会につながっていくはず。

境界線とダウンタイム。
または
保護と回復

自分や子どもがHSP・HSCかなと思ったら、この2つを意識してケアしていきましょう。

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