敏感、繊細、感受性が高いなどいろいろな表現をされるHSPとHSC。
音やにおいや人の感情に敏感と言われるけれど、何が気になるかは人それぞれ。だったら結局HSPは何に対して『敏感』なのか?と思ったことはありませんか?
HSPは【神経への刺激】に敏感なのです。
今回は、私達を取り巻く刺激について知ることで、HSPをよりよく理解してみたいと思います。
HSPは、神経への刺激に敏感
敏感な人は、他の80%の人が気にならない程度の刺激にも気づきます。他の人も気になる程の刺激なら、大ダメージを感じる人です。
神経の反応の仕方が、社会の80%の人とは異なる。
深い処理をするといわれています。
処理が深い?
ってちょっとわかりにくい表現ですよね。私もわかるようなわからないような、と思っています。
重要なのはその処理の深さの結果「神経が昂りやすい」ということです。
では、できるだけ刺激を避ければいいの?
刺激に敏感で神経が高ぶって疲弊する。ならばできるだけ避けて静かに過ごせばいい。まずはそう思いますね。
でもそうじゃないんです。
【刺激をゼロにすることは不可能だし、目指すべきでもない】
とアーロン博士の書籍でも言われています。
刺激に敏感な人だって、なにごともなく安定してるが退屈な毎日ではなく、自分なりに張り合いのある毎日を送りたいのです。
適度に刺激があって、毎日を楽しめる状態はだれにとっても理想です。
ただ『何が適度な刺激か』という基準が、HSPと非HSPでは全然違う。お互いに驚くくらいに。
自分にとっての刺激レベルを知る
そこで「どんなタイプの刺激に弱く、どのくらいが最適か」と判断できることが大事になります。
「周りの人はこのくらい大丈夫だから」と周囲は気にしない。「今の自分はどのくらい高ぶっているな、ダメージを受けてる」と自己認識できるとだいぶ楽になります。
さらには「ダメージ受けてるからしかたないな」と自分を許せるともっと楽になりますね。自分を責める罪悪感があると、その感情がさらにダメージを加速してしまうので注意です!
- 苦手な刺激を受けすぎないようにコントロールすること
- 刺激を受けたあとはしっかり休息(ダウンタイム)をとること
- 刺激に弱い自分を責めないこと(強い罪悪感も刺激になります)
そうやって自分を守っていくと、自分なりに心地よい刺激レベルが見つかるはずです。
どんな刺激に敏感ですか?
「どんな刺激に敏感ですか?」といきなり聞かれて、「これと、あれと……」とすぐに浮かばないこともあるし、何をもって刺激というのか分かりにくいかもしれません。
そこで、ここで神経に刺激となるものの分類をあげておきますね。自分は(お子さんは)どんな刺激に特に敏感か考える際の参考にしてみてください。
内的刺激・外的刺激
アーロン博士の書籍では、刺激は内的刺激・外的刺激の2つで説明されています。
わかりやすいのは、自分の外側から来る外的刺激。
音・光・色・匂い・味・手触り・肌ざわり・気温など。五感で感じるものです。
そして内側の刺激というのは、自分の中でおこるもの。
例えば空腹。HSPチェックリストにもありますね。
自分の感情や興奮も刺激になります。それが神経を昂らせる悪循環を引き起こします。
4種のストレッサー
自律神経への刺激として考えると、ストレスを与えるストレッサーが刺激になります。
ストレッサーは以下の4種にわけられるそうです。
- 物理的ストレッサー(五感への刺激、混雑など)
- 化学的ストレッサー(公害物質、薬物等)
- 生物的ストレッサー(身体の炎症、栄養・睡眠不足等)
- 心理的ストレッサー(人間関係など)
生物的・心理的というのが、内的刺激に近いと思います。
また柔軟剤等の匂いがつらいという方は、物理的および化学的ストレッサーが同時に起こっていると考えられますね。
HSPの3分類
最後に、皆川公美子さんが提唱しているHSPの3分類も参考になります。
- 感覚系
五感と直感での刺激に反応しやすい - 共感系
人の感情に特に同調しやすい - 洞察系
深く考えることに特徴がある
「この人は感覚系」とスパッと割り切れる分類ではないです。
感覚系が90%占める気がするという人もいますし、3系統が同じくらいに感じられる人など、敏感な系統が偏っているかどうかも個性の範囲です。
洞察系、というのが特に面白い分類の仕方だと思うのです。
「ものごとの仕組みが気になる」「不正が許せない」といった自分の思考や正義感で神経的にたかぶってしまうようです。
自分の敏感性とうまく付き合っていくこと
内外の刺激、4つのストレッサー、HSPの3分類。
ご紹介した分類を使って、自分が何に敏感に反応するのか、ぜひ振り返ってみてください。
同じHSP/HSCといっても、人によって驚くほど苦手なものが違うのです。(共通点や違いを話し合いたい方はぜひお茶会へ)。
苦手を克服しようとする方も多いですが、まず取り組むべきは克服ではなくて回避かもしれません。
- 苦手な刺激を受けすぎないようにコントロールすること
- 刺激を受けたあとはしっかり休息(ダウンタイム)をとること
- 刺激に弱い自分を責めないこと(強い罪悪感も刺激になります)
そういった工夫で、自分に最適な刺激レベルを保つこと。
克服したいものがあるとしたら、神経の昂りが落ち着いてからが良いと思います。
休息(ダウンタイム)については、こちらもご参考に。