さまざまな刺激に敏感なHSPやHSCは、
特に敏感に感じる刺激の種類によって3タイプに分けられることをご紹介しました。
感覚系、共感系、洞察系の3つでした。
スッキリと3つに分かれるというよりは、感覚系が強いタイプ、共感系が特に気になるタイプといったようなグラデーションで現れています。
このHSPの3つのタイプは苦手なものや疲れを感じるポイントも違います。
ということで、ケアの重点方向も少し異なります。
今回は、感覚系が強いタイプのケアに必要な「ダウンタイム」について詳しくお伝えします。
HSPセルフチェックリストと「感覚系」
HSPの中でも感覚系は、身体の敏感性が強いタイプ。
目・耳・鼻・口・肌などに入ってくる五感への刺激に敏感に反応します。
アーロン博士のHSPチェックリストの中では、「はい」と答えるのはこの辺りが多いかも。
HSPチェックリスト内で「感覚系」ぽいもの
① 自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ
② 忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
③ カフェインに敏感に反応する
④ 明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい
⑤ 騒音に悩まされやすい
⑥ 美術や音楽に深く心動かされる
⑦ 暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている
⑧ 空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる
⑨ デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
⑩ 大きな音や雑然とした状況など強い刺激に悩まされる
ネガティブな中にも、
① 美術や音楽に深く心動かされる
② デリケートな香りや味、音、音楽などを好む
といった良い面もありますね。
美しいものにも五感が強く反応し、芸術的な感性が高い人でもあるんです。
だがしかし、五感への刺激が強くなりすぎてしまうと
その繊細な感性は生かせません。
忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れられる場所にひきこもりたくなる
という感じになってしまいます。
感覚系HSPに特に必要なダウンタイム
引きこもりたいほどの刺激ダメージを受ける前に、こまめに回復していくことが感覚系HSPにとってはとても大事なこと。
お子さんのHSCでも一緒です。
忙しい日常の中でも、こまめにダウンタイム(休息時間)を取ることがコツ。
なかなか時間がないなぁ~と思っても、上のリストに合ったように
- プライバシーがある
- 五感への刺激が低い
それが揃えば短時間でも大丈夫なんです。
HSPのダウンタイムの取り方あれこれ
ダウンタイムの取り方はいろいろあるので、状況別にいくつか挙げてみましょうね。
外出先や職場でのプライバシー確保と五感保護
外で休みを取るのはなかなか難しいですが、プライバシーと言えば化粧室!
私は昔職場がつらい環境だったときは、トイレタイムをかなり頻繁に取っていた覚えがあります。とにかく一人になりたい!という切実な思いだったんでしょうね。
もし場所の移動も難しい、席を外せないときは?
ほんの少しの間でも目を閉じましょう!
7割の刺激は目から入ってきます。
目を閉じつつ、よい香りを吸い込むのもオススメです。
アロマテラピー精油などが役に立ちますよ。
心地よい穏やかな刺激で五感を効果的に休ませられます。
学校がつらい場合にも「合理的配慮」を。
学校がつらいHSCからよく聞くのは、音と食べ物の問題。
騒音対策には、イヤマフの着用。
味覚の敏感さには、給食での配慮。
学校内での五感刺激はこの2つが無理なく始められるかと思います。
個別対応になってしまうと「~~ちゃんばっかりずるい、おかしい」なんて言う子がいるかもしれません。
でもそこは担任やお子さん自身としっかりお話して、「敏感な体質だからおかしくなんかない」「みんなと同じように穏やかに過ごせることが大事」という意識をクラスの中で持っていきたいところです。
個人の体調に合わせた「合理的配慮」は、学校側に求めてよいことになっています。先生にHSCのことを伝えて堂々と対応をお願いしましょう。
自宅でのダウンタイム
いろいろと外での刺激は強いですから、自宅ではできる限りしっかりとダウンタイムを取りたいです。夜寝るだけで疲れが取れないHSP/HSCがたくさんいます。
短時間でも、昼寝をしましょう!
ソファに倒れこむという話もよく聞きます。
罪悪感を持つ人も多いのですが、疲れた後に取り返すのは大変。潔く堂々と昼寝して回復してください。
基本的には横にならず、座ったまま寝ると体が睡眠モードに入りすぎなくていいはずです。
ひとりでできる活動に没頭する
料理やお掃除などの家事に好きなことがある方は、一石二鳥ですね。気持ちよいことをしている、と意識するとなおよいはずです。
ここまで話してきたように、ダウンタイムは回復のための時間なんですが、
- マイナスの刺激を避ける
- プラスの刺激で癒す
の2つがあります。マイナスを避ける方が基本ですが、プラスも少しずつ入れていって、気分をあげる作用も感じてください。
HSPとHSCの繊細な五感。大切に守り、穏やかに育んでいきたいですね!