HSP・HSCの3タイプ、最後は「洞察系」が強い場合のお悩みの話です。
身体・五感が特に敏感な感覚系、
感情・共感力が特に高い共感系。
この2つに比べて「洞察系」の悩みは少しややこしいです。
周りに人がいなくても、環境が静かでも、もしかしたら刺激を感じ続けているかも。
洞察系の悩みは、自己否定につながることが多く、
罪悪感や自己肯定感の低さに悩むことも多いようです。
今回は、洞察系HSPのための自己受容について。
HSPセルフチェックリストと「洞察系」
アーロン博士のHSPチェックリストの中では、「はい」と答えるのはこの辺りが多いかも。
HSPチェックリスト内で「洞察系」ぽいもの
- 時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる
- とても良心的である
- すぐにびっくりする(仰天する)
- 短期間にたくさんのことをしなければならない時、混乱してしまう
- 一度にたくさんのことを頼まれるのがイヤだ
- ミスをしたり物を忘れたりしないよういつも気をつけている
- あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる
- 生活に変化があると混乱する
- 同時に自分の中でたくさんのことが進行すると気分が悪くなる
- 動揺するような状況を避けることを、普段の生活で最優先している
感覚系、共感系と共通するところもあります。この分類ははっきりと分かれるものではなくて個人の中にグラデーションとしてある3つの傾向です。
同時にいろいろあると考えすぎてしまって混乱、不快、神経がたかぶるなどが洞察系の大きな特徴と思われます。
洞察系HSPが最も言われている言葉は
「考えすぎだよ」
だと思います。
「指摘が厳しい」「思いのほかキツイこというよね」
と言った拒否反応を受けている人も多いです。
何が具体的にきつかったのか自分ではわからないこともあり、発言全般に気を付けるようになって委縮してしまう、というお悩みをよくうかがいます。
この「思わぬ指摘を受けてしまう」洞察力。
HSPが持っているはずの共感力とは反対に見えるのが不思議です。
自分の思考に深く入り込みがちなので、周りの人の考えや感情に気が廻らなくなる結果かもしれません。
大人になるにつれ、社会性が高まるし共感力の方をうまく使って上手に生きている人が多いようにも思います。
でもやっぱり
「思ったことをはっきり言えない」
「つい我慢してしまう」
「本当は納得がいっていない」
と何かしら困り感は感じているのです。
周りの賛同を得られないから、自分が悪いのかもしれない。
自分がおかしいのかもしれない。
言い方に問題があるかもしれない。
という自己否定感、罪悪感を持ちがちです。
HSPは自己否定感を持ちやすい
そもそも人間は、生き延びるために危険回避をする必要があるため、物事に対して多少否定的で慎重な思考を持つ傾向があるそうです。
用心していれば失敗して命を落とすことが少なくなりますよね。
中でも危険察知力が強いHSPは、その傾向が強くなります。
ダメージを受けたときに、「自分が何か失敗した、次はちゃんとやろう」と思う気持ちが強いのです。
そのこと自体は向上心に繋がる可能性もあるのですが、「自分はダメだ」に繋がってしまうのが課題。
もしHSCのお子さんが洞察系タイプであれば、「考えすぎだ」と言われてその素質がつぶれてしまわないように気を付けてあげて、気を付けすぎることはないと思います。
チェックリストの中でも「とても良心的である」をこの洞察系の特徴に入れてみました。
洞察系は自分の深い思考にハマって周りが見えていないこともある一方で、基本的にはいつもみんなに良かれと思って思考していることが多いようです。
HSPは平和主義で理想主義ともいわれています。
たとえ余計な一言を言ってしまって誰かを傷つけることがあったとしても、根っこはとても良心的であると知っておくことが大事です。
洞察系HSPに特に必要な自己受容・自己肯定
というわけで、
ダウンタイム、境界線に続くHSPセルフケアのポイントは、自己受容・自己肯定。
洞察が強い人は、特に頭で考えて自分を責めがち。
もちろん他人を責める傾向に向かうこともありますよ。
でも他人責めって、自分に自信がないからこそ身を守るために行っている場合もあります。
根深いのは、自己肯定感の低さ。ここをケアしていけるといいと思います。
HSP性質をポジティブにリフレーミングする。
ひとつのやり方は、自分のネガティブな性質をポジティブにリフレーミングすること。
HSP的な特徴で言うと
- 神経質 →細かなところに目が届く
- 不満が多い →改善点を発見する力がある
- 考えすぎ →思考力がある。深い洞察力に恵まれている
- マルチタスクが苦手 →よく考えて行動する。慣れれば人より効率化できる
などなど。言い換えることです。
多少無理があっても大丈夫なので、とにかく書き出してリフレーミングしてみるという発想の転換をしてみましょう。
言い換えながらポジティブな質に納得できれば、生かしていけると思います。
自己肯定感はかなり大きなトピックなので、時間がかかるかもしれませんが、取り組みによる波及効果も絶大と言えます。
ひたすら自分をいたわる
自己分析が難しいときには、ひたすら自分をいたわるのも良いです。
誰が褒めてくれなくても自分で。
毎日頑張ってます。
- 「今日も一日お疲れ様」
- 「HSPライフなかなか大変だよね~」
- 「敏感な割によく頑張ってるよー」
など。自分で自分に言うのちょっと恥ずかしいですけれど、これも効きますよ!
コツは、「もし友達相手だったらなんて言ってあげるかな~」って考えてみること。
敏感で疲れやすい友達がいたら、きっと寄り添ってあげられますよね?
人に優しくできるのに、自分には厳しいHSPさんが多いです。
ぜひぜひ自分にもいたわりを。
そしてHSCのお子さんにも、毎日のいたわりが必要ですね。
子育ては大変だと思うので、まず自分をいたわってから、ついでに子どもをいたわりましょう。自分ファーストで大丈夫。親の調子が良ければ子どもにも伝わります。