繊細な子、HSCと聞くと「内向的でおとなしい子」のイメージがあると思います。でも
HSCのかんしゃくが大変。疲れた日には特に、泣いたり暴れたりします。
どう対応したらいいのか、とお困りのお母さんも多いです。
外ではおとなしいのに、家では大泣きしたり暴言を吐いたり年下のきょうだいに手が出てしまったりすることも結構ある。そんなHSCちゃんもたくさんいます。
2歳ぐらいのイヤイヤ期にあるようなかんしゃくが、もう少し大きくなっても起こっているように見えるかもしれません。
なぜかんしゃくや大泣きなどを起こすの?
調子が良いときは基本的に穏やかなHSCが、突然スイッチが入ったように大泣きしたり怒りをあらわにするのは、人間の心身の仕組みとしては理にかなったこと。
刺激の限界量を越えてニーズが満たされない感覚に陥り、【過覚醒】と言われる興奮状態に入ったから。
大泣き、または暴力などでエネルギーを発散して何とか通常状態に戻ろうとしています(無意識に)
上手に心身の調整が【まだ】できていない、自己調整がまだ下手なのです。下手なりに頑張っているのです。
だからこんな時は、大人の助けが必要。
落ち着くためには、落ち着いた大人が必要。
こんな時、大人がやることは「落ち着いた状態で子どものそばにいることで、子どもの神経を落ち着くのをサポートすること。」
慌てて慰めるとか、叱って黙らせるとかする必要はありません。
落ち着いた人がそこにいるだけで、心拍や呼吸が連動し、神経系の興奮が落ち着いていくと言われています。
私たち親は動じない、見守りつつも反応しない。
息を口からふーっと吐く。ゆっくり。何度も。自分も落ち着くように。
自分や子どもへの責める気持ちがあれば、それも一緒に吐き出す。
泣いている子で慰めが可能なら、そっと触れる。
「苦しいね」「悔しいね」など言葉をかける。嫌がったらやめる。見守る
度を越えた暴言・暴力は「それはいけないこと」と制止する。その上で、エネルギーの発散が終わるまで見守る。
結構長く続くことがあるので親も子もしんどいですが、何度かこの激しい調整の経験を経て、だんだんに「もっと早く」「もっと穏やかに」自己調整できるようになってきます。
起きた出来事を振り返ることも有益
大泣きをしたりかんしゃくを起こしたりしてしばらく経つと、子どもは何もなかったようにけろっとしていることと思います。
おやつでも食べながら、「さっきのできごと」を親子で振り返る時間が持てると次につながります。
すごく泣いちゃったね、悔しかったのかな、と気持ちを確認したり。
何が嫌だったんだろう、と子どもの思いを聞いたり。
振り返りの経験を持つことで、子ども自身が「次はこうしよう」と思えるかもしれません(年齢や発達によると思います)
我が家でも「前は怒り出すと3時間ぐらいイライラしていたけれど、切り替えが早くなってきたね」と観察をフィードバックしたり、「イライラしたら、いったん自分の部屋に行って落ち着くようにして」とリクエストしたり、いろいろ工夫をしていました。
神経系を育んで、徐々に刺激耐性を育てていきましょう
そしてお互いの心に余裕があるときは、神経系を育むチャンス。
刺激の限界量を少しずつ増やしていくように、神経系エクササイズをしたりしていきます。息をふーっと吐いたり、手をぐーぱーとにぎにぎしたり。簡単な動きが積み重なって、穏やかでい続けられる神経の耐性を育ててくれます。
いつもは穏やかなのにキレると激しいタイプのHSCちゃん。付き合う親もなかなかに大変ですが、私たちも神経系の土台を安定させながら、長い目で見守ってまいりましょうーー。
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