HSPさんの心は繊細。そして繊細ゆえに心に傷がつきやすい。いわゆるトラウマ化しやすいです。
心の傷が癒されたってわかるのは、どうなったときなんだろう
とご質問をいただきました。
なるほど、確かに。判断基準が欲しいところですよね。
心の傷の癒しは目には見えない
もちろん、ご自身が「癒された、もう大丈夫だ」と思えたら癒しが進んでいます。
心の傷は目に見えないし、機械で測ることもできないから、自分の感覚がたより。
そしてあなたは癒されている、あなたは癒されていない、と人に決めつけられるものでもない。
ちなみに「癒しが終わった」ということもなく、大きな傷が癒された後にも残る小さな傷もあれば、新しく傷ができることもあります。でも癒し方がわかっていれば、回復は以前より早くなっていく。そんな感じです。
ですから、「心の傷が癒された」という変化は、突然やってくる大きな気づきというよりは、日常の中でふと気づく状態変化かもしれません。
HSPの心の傷が癒されたと感じる20のサイン
私自身の変化や「心の傷が癒されてきたクライアントさん」の姿を参考に、HSPさんの心の傷が癒されたと感じるサインを列挙してみますね。20個になりました。
- 嫌な出来事を繰り返し思い出さなくなってきた
- 思い出しても、特に何も感じなくなってきた
- やりたいことをやる行動力が出てきた
- 選びたいことを選ぶ判断力・決断力が出てきた
- 疲れにくくなってきた
- 体の不具合がなくなってきた
- 体の不調に早く気づけるようになってきた
- 眠りたいときに眠れるようになってきた
- 言いたいことを言えるようになってきた
- 泣きたいときに泣けた。笑いたいときに笑えた
- 怒りたいとき怒りに飲み込まれずに主張できた
- 人といるときに緊張しなくなってきた
- 敵がいなくなってきた。攻撃されなくなった
- 孤独でなくなってきた。つながりが増えた
- お金の心配をあまりしなくなった
- 子どもの心配をあまりしなくなった
- 他人の心配をあまりしなくなった
- 繊細な自分の良い部分も見えるようになってきた
- 自分のダメな部分も「これも自分か」と許せるようになってきた
- 親やパートナーとの関係性が改善した
傷に関するネガティブな感情・思考・体感覚がなくなってくる感じが伝わるでしょうか。
もちろんたまには疲れちゃうし、泣きたいときに笑っちゃうことだってあるし、新しいことに緊張することもまだ起こることでしょう。
でもその出来事に飲み込まれなくなっていく、圧倒されなくなっていく。
心の傷と一体化せずに、「あ、また傷がうずいている」と少し見守ることができるようになっていく。
そんな感じに変化が緩やかに続き、小さな傷も深い傷も、少しずつ癒されていくと思います。
18. 繊細な自分の良い部分も見えるようになってきた
18番目には「繊細な自分の良い部分も見えるようになってきた」というのを入れました。
HSPの繊細で傷つきやすい心をタフにしたい、強くなりたいと思うことがありますけれども、そうじゃなくて繊細さはポジティブでもある、と見方が変わるのも癒しの一環だと思います。
前に「繊細さはギフト」というテーマでセミナーを行ったことがあります。
たくさん頂いた感想の中には
繊細さについてポジティブにとらえたことはなかった。
声に出して言ってみたり、胸に手を当ててみたりすると暖かい気持ちが広がってきた
まだ「ギフトだ」と言い切れるわけではないが、続けてみたら変わるかも
という声がありました。
自分が人より繊細な傾向があるということを、弱点・欠点だと捉えているときは、心の傷が強いときだと思います。
HSPであることは、本質的にはポジティブでもネガティブでもないただの生まれつきの傾向。
ただしネガティブな弱点だと感じることが多いから、時々「繊細さはギフトでもあるよね」とポジティブに味わえることができたら、バランスが良いということ。
繊細ゆえに人知れず傷ついた経験が、私たちHSPにはありますね。
その傷は今も胸の奥のどこかに残っていながらも、でも一方で心から「繊細に生まれてよかったなー」と思えるように【も】なってきたら、傷の癒しは進んでいます。
そしてさらに「19. 自分のダメな部分も「これも自分か」と許せるようになってきた」も。
ポジティブ一辺倒になるわけではなく、ネガティブな部分もひっくるめて全部自己受容が進みます。
20.親やパートナーとの関係性が改善した
リストの最後には「 親やパートナーとの関係性が改善した 」を入れてみました。
身近な人、中でも親やパートナーなどの家族との関係が改善してくるのは大きいと思います。
親への罪悪感が薄まり、抑えていた怒りを思い出し、それも自分の内側で癒し、距離感を再調整していく方がセッションを経ると多くいらっしゃいます。
親やパートナーと対決したり許したりという外側でのやり取りをしなくても、自分の内側の傷が癒されていくと自然に関係性が改善して行ったりします。
関係性が変わるから癒されるのではなくて、自らの心の傷の癒しが先に来るのは不思議なことかもしれませんが、そういう感じです。
心の傷が癒されると、人生の質が変わる
20個の癒しのサイン、列挙してみました。
「人生が変わった!」「生きやすくなった!」と飛びつきたくなるような変化には思えないかもしれませんが、実際に癒しが起こると人生の質が変わります。
同じ毎日を送っていても幸せの質が変わるし、そこから人生の状況が変わっていく人も多いです。
積み重なっていく小さな傷も、幼少期についた深い傷も、植物の力やタッピングの刺激で静かに癒すお手伝いをしています。