人間の中には、生まれた時に星々から影響された力が備わっているというのが占星術の人間観です。
その5つは感情(月)・知的才能(水星)・美意識(金星)・目的意識(太陽)・熱意(火星)だと前回書きました。今回は、それぞれの星の力を使いこなしていく時期について。
生まれつきの力は最初から使えるわけではない
星の力が生まれた瞬間に5つの資質が受け取られたと考えるなら、その力は人生の初めからいつも働いているはずです。
とはいうものの、5歳の子どもに「人生の目的意識」がはっきりとあるとは考えられませんよね。幼児はほとんどを月意識、つまり感情を中心に生きています。
逆に言えば、この時期には自分の感情(月意識)を育てているのです。
とにかく走り回りたい子、
一人でじっくり何かを作り上げたい子、
あっちこっちでおしゃべりしたい子、
お母さんや仲良しの子といつも一緒にいたい子。
子供たちは「どんな子」なのかが割とはっきりと出ていることが多いです。
シンプルなひとつの意識が目立ち、十分に感情面での自分らしさを発揮しているのがこの時期の生き方です。(月が抑圧された結果、その子らしさを出せていない場合もありますが。)
水星・金星・太陽・火星などの他の星々の影響は既にあるにはあるのですが、まだまだ眠っている段階。片鱗が見えるといった見え方をします。
内なる星々を身に着ける年齢域
そして成長するにつれ、私たちはだんだんと複雑なキャラクターになっていきますね。およそ10年ごとにひとつずつ、何十年もかけて自分らしい5つの資質をじっくりと育てていきます。
それぞれの年齢の中心意識・育てる資質は以下の通り。
10歳頃は水星(知的才能)、
20歳頃は金星(美意識)、
30歳頃は太陽(目的意識)、
40歳頃は火星(熱意)。
20歳で成人とはいえ、まだまだ未熟な存在であるのは本人も周りも認識しているところ。30歳頃には太陽が活性化し、社会や親に求められる自分ではなく、内側から輝きだす『自分』が意識できるようになります。
でも、5つの資質がマスターできるのが40代頃なんです。意外と遅いですよね。
40代は「もう若くないし」なんて言ってる場合じゃなくて、「バランスよく育ったこれからが人生の醍醐味なのか!」と占星術を学んでいるとハッとするのです。
星の性質のギャップがあれば生き方も変わる
さて、その時々の性質(星座サインで表されます)にギャップがあると、ある時性格がガラッと変わるように見える人もいます。
甘えん坊だった子が小学校ではとても社交的になったり、
思い切りの良いタイプだった友人がいつしか慎重な行動をとるようになっていたり。
もちろん個人的な経験からくる成長でもありますが、そういう人たちは年齢域が変わっていくときに別の星座サインに中心意識が移ったのかもしれません。
一方で、性格に裏表がなくずっと変わらないタイプの人というのもいるものですよね。
5つの星のほとんどが同じ星座サインに入っている人は『一貫性がある』けれど『偏っている』という生き方に見えることがあります。
この2人は、生まれつき人生のコース設定がかけ離れていることが伝わるでしょうか。
持っている資質も違い、それを身に着けていく過程も違う。人って本当に性質も生き方もひとりひとり全然違うのです。
自分はどちらのタイプかな、あの人はどうかなって想像してみるのも面白いものです。
次回からは、月から順番に、それぞれの星と資質の話をしていきますね。